言の葉の書き上げ

書き上げました

25歳

25歳になった。 仕事は失敗しかしていない。去年の終わりごろから以前にも増して人との会話がぎこちなくなっている気がする。役割を果たすということに辟易している。 24歳が終わったことに少しショックを受ける。いろいろな段階が既に終わっていることにや…

筺底のエルピス 7巻 感想

オキシタケヒコ『筺底のエルピス7 ―継続の繋ぎ手―』の感想です。と言いつつシリーズ全体についての印象の話もあります。当然ネタバレしかないです。 7巻は発売日のあとの週末には読み終わってました。 ・いやー今回も面白かった。理詰めの文章を次々に頭に流…

名探偵コナンと太陽にほえろ!のテーマ曲が同じだと気づいたときの思い出

いや当然別の曲なんですが。 同じだ!と子供のときに気づいたことがあって、家族に話すとそんなわけないだろとは言いつつ頭の中で比べるとよく似てるのであれ?同じか?みたいになって、実際聞いてみたらあっ違う!とわかってすごい笑ったな、という話。なぜ…

羞恥とはつまり怒り

羞恥が起こったときの身体反応について。顔が熱く赤くなる。表情筋が震えてくる。ほらだいたい怒りと一緒。 羞恥は自らの拙さ・醜さに向けた怒りであると言えるだろう。人前で自分に対してキレるわけにはいかないから、便宜的に怒りとは別物ということになっ…

色弱と読書の感受性について

僕は色弱で、緑、赤、茶色あたりの違いが、他の人より分かりにくい(らしい。自分なりには見えているつもりなのだが)。それと同じような感じで、文章を読んだときにその上手さ、美しさがいまいち見えていないような感じが、他の人の感想を見ていてすることが…

どれほど自分より優れていても自分を苦痛から救わない存在のことは侮蔑してしまう

何かの苦痛を抱えているときの話。このとき筋合いなんてのは考慮されない。 どうにもできないような苦痛を抱えたときはそれをどうにかできるものがなにもないわけなので、当然目に入るものを全部まるごと侮蔑することになってしまう。そうならないよう、とに…

「あなたが話しかけているのは誰ですか?」

「あなたが話しかけているのは誰ですか?」 客観視点のような何かにそう尋ねられて、自分が無意識にぶつぶつ言い訳を話していた相手が目覚ましのアラームだったことに気づく。いつも聞いているその無機質なベル音がどうしようもなく恐ろしく思えて、自分の口…

インド料理食べてきた

インド料理屋に行って来ました。チキンカレーとほうれん草のナンで1400円。美味しかったけどちょっと割高。変わったものが食べたい時には良さそう。ナンが両手広げたより大きいくらいのサイズでびっくりした。店の内装は象の神様のタペストリーを飾ってたり…

ジビエ料理食べに行った

土曜日の晩にジビエ料理を食べに行った。駅まで車で行って、そこから電車で40分くらいの駅の、近くの店。内装が洒落てて店員がややいかつい感じだったのでびびったけれど、猪と鹿の三品と、赤ワインをいただいた。肉はどちらも柔らかいけれど少しスジばって…

重篤患者のインスタレーション、悪夢のテーマパーク 酉島伝法『るん(笑)』感想

ネタバレありです。 酉島伝法は「皆勤の徒」を書く際に現代の『蟹工船』を意識した上で、職場環境のつらさについて“現実に起きているままを書いても、この無慈悲さを実感できるように表現しきれない”と考えて、遠未来の異形の世界で謎の業務に就く人間を描き…

電-話

暇なので話相手が欲しいという話。 冬休みに幼なじみの友人とテレビ電話でリモート飲み会をした。先週の休みにももう一回やった。これからもちょこちょこやっていきたい。 相手は幼稚園からの知り合いで、小学生も、中学では部活も一緒。高校も同じだけどそ…

実話怪談読んでて百合見つけた

裏世界ピクニックからの流れで我妻俊樹や朱雀門出の実話怪談をいろいろ読むようになった。当然あんまり百合はない。百合を求めて読んでもない。けれど我妻俊樹『奇々耳草紙 呪詛』収録の「女と右目」は間違いなく百合だった。 間違いなく百合なので、読みた…

BAYONETTAを遊んでいます

チャレンジモードのウィケッドウィーブだけで倒すやつを延々やってどうにかクリアした。コンボを回避後に持ち越すのに大分慣れた気がする。明日には忘れてそう。 にしてもこれをクリアするまで大変だった。何回再戦したことか。曲が最高なので正気が保てた。…

木澤佐登志「さようなら、いままで夢をありがとう」の後半かなり裏世界ピクニックじゃなかった??

『文藝2021年春季号』の「特集 夢のディストピア」に寄せられた木澤佐登志の論考「さようなら、いままで夢をありがとう」の後半がかなり裏世界ピクニックだったのに気付いて、うれしかった、という話をします。 論考の内容をざっとまとめると、この世界は人…

雲の立体感について

いつだったか空を見ていたとき、雲というのが巨大な立体物であると気付き、空にそれが浮かんでいることに強い迫力があって、少し感動したことがあった。つまりそのことに気づくまでは空は青い平面で、雲はそこについた白い染みでしかなかった。気付いたのは…

冬、死ぬほど寒く、水分子が整列させられたりするので実質ディストピア

冬はディストピア

早くこれになりたい「幻覚剤は役に立つのか」(マイケル・ポーラン)

初めに言っておくと、いわゆる幻覚剤、本書で取り上げるLSDや、マジックマッシュルームの成分であるシロシビンには依存性はなく、人体への影響も脳に対して一時的に作用するのみで循環器系へのダメージも無いとされる。アヘンやコカイン、覚醒剤等は依存性が…

月本十色「2085年の百合プロジェクト」めちゃめちゃよかった

SFマガジン2021年2月号百合特集2021の「2085年の百合プロジェクト」めちゃめちゃ楽しかったです。 長谷敏司『BEATLESS』は既読でアナログハックのことも知っており、そして百合がある種の「脆弱性」を突いてくることを自分で意識しているのを踏まえて、それ…

木澤佐登志最高!一番好きな志です(新連載第1回を読みました)

言いたいことタイトルで終わった SFマガジンの新連載「さようなら、世界 〈外部〉への遁走論」第1回を読みました。 木澤佐登志の論考は広範な知識の中に邪悪なオタク趣味と時代批判の倫理的な意識が混在していて、そこにたまらない魅力を感じる。『ダークウ…

ビカビカ光る無意味

この世のものは基本全て無意味なのだけど、そのなかでところどころにビカビカ光っている無意味があって、それを渡り歩きながらどうにか情報を代謝して生きている。「ビカビカ光る無意味」というのは意味があるということではない。無意味さの問題は私の側に…

さっき口に入れた煮干し前後両方尻尾じゃなかった?

と思って噛む前に口から取り出してみたら頭が取れて尖っているだけだった。当然。

浅野いにお「虹ヶ原ホログラフ」を読みました

単巻の漫画。 “「虹ヶ原」という土地を舞台に、小学校の同級生たちの過去と今が交差する――。 子どもたちのうわさ、トンネルの中の怪物、家族の秘密、蝶の異常発生……あらゆる糸が絡み合い織り成す、新世紀黙示録。” 帯の紹介文より ニッポン戦後サブカルチャ…

須藤佑実「夢の端々」感想

上下巻の百合漫画。 “時代に許されなかった女性同士の恋と人生を令和から戦後まで遡って辿るドラマチック一代記!”(帯の紹介文より) すごくよかったです。 こんな巨大な作品を描く意志、そこにこの遡る形式を選んだことが、もうとんでもない。 あと、貴代子…

暗い町並みに軽いキャラ、繰り返し百合SF「コーヒームーン」(牡丹もちと)について

牡丹もちと「コーヒームーン」既刊は2巻。 3巻で一旦完結とのこと。 雨の降り続ける西洋風の暗い町、主人公のピエタは自分の誕生日の1日を何度も繰り返していた。ピエタ以外にその記憶を持つものはいなかったのが、親友の駄苗がなぜか記憶を持ち越してきて…

頭がいっぱいいっぱいで何も手につかないときについて

頭がいっぱいいっぱいで何も手につかない。 私の鬱はそんな感じだった。やるべきことはわかっているのに、いくら考えてもどうしてもそれを実行に移すことができない。生活が疎かになっていくけれど、どうしようもない。 今でもそんな状態にはちょくちょくな…

虚無からの肉声 ――AIきりたんがかわいいという話

(ボカロどころか音楽そのものもほとんど聞かない人間によるゴミたいな個人的結論なので期待しないように) AIきりたんの「キリトリセン」を思い出す度に何回も聞いている。 https://nico.ms/sm36399511?ref=other_cap_off 人間に近いことの凄さは置いといて、…

裏世界ピクニック5 感想

宮澤伊織『裏世界ピクニック5 八尺様リバイバル』を読みました。面白かったので思ったことを書きます。ジュニア版も確認できたので、それも含めて。例によって作品外の無関係な話が多いですが。 ・怪異と隣り合わせの日常の中で、二人が距離感を捉え直してい…

日記(限りある命で豊かな人生送れは全て詐欺です)

タイトルはレターパックを見かけてなんとなく。Twitterを控えている禁断症状が出ている気がする。Twitterやめて健康になったかといえば、この1週間は前半から感情が死んでいた。もしかするとTwitterから意外にも何らかのやすらぎを受け取っていたのかもしれ…

日記(百合のニンダイにソワソワしてたら冷鳩三匹飛んだ)

百合のニンテンドーダイレクトというのはこれです。ニンテンドーダイレクトっぽくないですか。ニンテンドーではない。 https://www.hayakawabooks.com/n/n59fb9ad18d3a 楽しみですね。伴名練「彼岸花」みたいな見たことがない怪物にぶち当たってバラバラにな…

ハイスピード剣戟シューティングボスラッシュSFアクションゲーム『Furi』について

フランスのインディーゲームスタジオThe Game Bakersによるアクションゲーム『Furi』の話をする。高難易度のアクションゲームとして素晴らしい完成度の傑作。 Steam、PS4、Switch、Xbox Oneで発売中。 日本語対応で吹替付き。翻訳に不備は無いけれど、たまに…