言の葉の書き上げ

書き上げました

木澤佐登志最高!一番好きな志です(新連載第1回を読みました)

言いたいことタイトルで終わった

SFマガジンの新連載「さようなら、世界 〈外部〉への遁走論」第1回を読みました。

木澤佐登志の論考は広範な知識の中に邪悪なオタク趣味と時代批判の倫理的な意識が混在していて、そこにたまらない魅力を感じる。『ダークウェブ・アンダーグラウンド』の補論2「現実を侵食するフィクション」はめちゃめちゃ楽しいし、大和書房のWEB連載「失われた未来を求めて」で資本主義リアリズムの破壊されたオルタナティブとしてチリのサイバーシン計画を紹介された際は目から鱗が落ちるような思いがした。

 

ブルシット・ジョブに励んで“最先端”と喧伝されるくだらないモデルチェンジ商品を生産しては延々消費し続ける現代社会においては、労働の苦痛の他にはせいぜい消え去っていく快感刺激があるのみで、そこに未来の希望はない。対して『ニックランドと新反動主義』でも紹介されたロシア宇宙主義は未来思想のポルノグラフィといえるような大胆で魅力的なもので、現代の科学で裏打ちされるものではないけれど、それ故そこには人々の剥き出しの“望み”があった。連載次回ではこの過去の遺物にも思える思想の、まさかの現代における展開が語られるとのことで、ロシアの正気を心配しないではいられない。

ところでSFマガジンの新連載、先ほどの「失われた未来を求めて」とテーマ被りそうに思うのだけど、どうなるのだろう。

隔月の楽しみにします。

『闇の自己啓発』書籍も楽しみ。