言の葉の書き上げ

書き上げました

暗い町並みに軽いキャラ、繰り返し百合SF「コーヒームーン」(牡丹もちと)について

牡丹もちと「コーヒームーン」既刊は2巻。

3巻で一旦完結とのこと。

 

雨の降り続ける西洋風の暗い町、主人公のピエタは自分の誕生日の1日を何度も繰り返していた。ピエタ以外にその記憶を持つものはいなかったのが、親友の駄苗がなぜか記憶を持ち越してきて、二人でデパートで遊ぶことになり、次第に世界の仕組みも少しずつ明らかになってきて……表紙の謳い文句は「少しだけ暗い、廻る日常コメディ」。黒い線で写実的に緻密に重厚に描き込まれた不気味な印象の圧倒的な世界描写に対して、キャラクターは明るくノリが軽くてかわいい。表紙からも感じられるそのギャップが気になる人はぜひ。あと銃器の描き込みも凄い。カルトのテロとか、そういうのも出てきます。

背景の精細さが素晴らしいし、迫力抜群の見開きも出てくるので、スマホで電書を読むより大判の紙書籍がおすすめ。

超絶技量の作者が萌えとか暗い情景描写とか異能SFアクションとかやりたいことをやってる感じがとても良い。3巻も楽しみ。