言の葉の書き上げ

書き上げました

「無」の人間が1人で東京のクラブイベント行きました

「無」の人間がアニクラに行った話です。

 

「無」の人間とは、アニメを一時結構見てたけど最近はほとんど追っておらず、流行りのソシャゲもせず、社会性がないので他の人とのやり取りはほとんどせず、創造性も熱意も無いのでTwitterで妄想を垂れ流したり創作したりグッズ買い漁ったりすることもなく、リアルの人間関係が充実しているわけでもなく、かといって他の趣味を熱中してやっているわけでもなく、仕事で充足していることもなく、時間だけが流れていく、なんの気力もない人間のことです。音楽もとりたて好きではない。

 

そんな「無」の人間が、夜中にやること無さすぎていつものように狂っていたときに、普段は全くしないけどなんとなくYouTubeで音楽を聞き漁ってみたら偶然電音部を見つけて、はまりました。

 

電音部はダンスミュージックを扱うDJの部活を舞台にした「楽曲原作」のコンテンツです。ネット上に公式が挙げてる音楽を聞くだけでコンテンツの本丸に触れられるし、楽曲はいずれもダンスミュージックシーンの最前線のコンポーザーたちが手掛けていて音が強いし、いいコンテンツだと思います。公式で挙げてる1時間のMIX動画で大体聞けます。

 

電音部は二次元系のクラブで最近よく流されていて、それを目当てに初めてクラブに行く人も結構いるらしいです。自分は音楽に興味はなかったし、友人に誘われることもなかったのでクラブどころか音楽イベント全般に行ったことはなく、クラブに行くという選択肢が浮かんだことも人生で全くありませんでしたが、それでもクラブのデカい音で電音部の曲を聞いてみたいと思うようになりました。そこに割りと近場で電音部メインのクラブイベントがあって、ちょうどはまったばかりですごいタイミングだし行ってみたいと思ったものの都合がつかなかった為、その悔しさの勢いのまま年末休みにいきなり東京まで行くことにしました。こちらは電音部メインのイベントというわけではなく、アニソンや二次元系総合の大きなアニクライベントで、客はだいたいオタク。

 

 

そうして1人で行って、1人で酒飲んで、1人で踊って、1人で帰ってきました。かなり楽しかったです。いいなと思ったのは①受動と能動が自由であること ②抽象的であること でした。

 

①受動と能動が自由

フロアの前方でDJを囲んで飛び跳ねてる人もいれば、微動だにせずにじっと聞き入ってたりスマホいじってたりする人もみんなそれぞれなので、自分にとって気持ちのいい振る舞いをすればよかった、ということです。腕ふり上げてて疲れたら一旦やめて体だけ揺らしててもいいし、曲とかノリがピンとこなかったら酒買いに行ったり後ろに行って休んだりすればよかった。電音部のDistortion流れて一番ブチ上がったときは少し前の方に寄って血に飢えた獣みたいになってました。Bloodborneの上半身ブン回す敵です。こんな風に自分なりに適当に踊ってればよかったので、社会性がない人間が1人で行っても楽しめました。社会性のある人間だともっといっしょに酒飲んで言葉や視線を交わして一体感とか感じるのかもしれませんが、私にとっては他の参加者は自分が自由に振る舞えるよう解放してくれる背景みたいな感じで、前の人を真似しつつ、DJの煽りにそこそこ応えつつ、とにかく自分が気持ちいいように動いてました。それで充分楽しかった。

 

②抽象的であること

前提をそれほど必要としない快楽があるということです。まず音と光が凄いです。スピーカーの前に立ったときの、喉や胸を内側まで掻き立てるような轟音。床から感じる衝撃。薄暗いフロアをまさぐるスポットライトのビーム。あと、なんかバキバキにリミックスされてたりゴリッゴリのドロップ付いてるような音楽は、原曲や原作を全く知らなくてもその場のノリで適当に踊ってれば楽しめます。顔は見たことあるけどよく知らないアニメキャラやら二次元アイドルやらVライバーの映像見ながら、知らない曲を聞いて跳ねてきました。音楽はそれ自体は抽象的なものだと思いました。あと酒。酒はドラッグで、ドラッグは抽象なので。別に無理に飲むこともないですが。

 

クラブイベントは自由で抽象的なものであるがゆえに、電音部聞きたいという以外に社会性も創造性も熱意も持たない「無」の人間が行っても結構楽しめるものだと思いました。クラブってもっと人生を楽しむことにエネルギッシュで社交的な人間が行く場所というイメージだったので、そこは少し意外で、だれでも適当に楽しめるような場所だと思いました。今回行ったイベントはフロアが複数で幅広いジャンルが流れていたので、好みの会場が選べたのもよかったと思います。

 

今回電音部はいくつか聞けましたが、まだまだ聞きたい曲もいろいろあります。クラブ自体の面白さもなんとなくわかりました。

近場だったり、電音部フィーチャーのイベントだったり、また行けるといいなと思いました。

 

以上