言の葉の書き上げ

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SFVRゲームDYSCHRONIA: Chronos Alternateの先行公開情報(2021/9/30)で気になったこと等

MyDearestがVRとswitchで展開する新作SFゲーム「DYSCHRONIA: Chronos Alternate」の2021/9/30先行公開コンテンツについて。

10/2現在公式サイト日本語ページDYSCHRONIA: Chronos Alternate (dyschroniaca.com)からスマホで飛べる謎解きページで謎を解いた後で得られる内容に触れているので、ネタバレを気にされる方は注意。謎解きはTGSVR2021のブースと連動していて、こちらは10/3で終了なので、お早めに。TGSVR2021は、VRバイスまたはPCで専用アプリをダウンロードして登録なしで誰でも遊べる。

 

基本的にウェブ上で公開された情報をまとめており、所々で気になったことを憶測として書いてます。

 

・アストラム・クローズ

作品の舞台となる海上都市。夢見る理想都市。時計塔や管理局という施設がある。統合人工知能と管理局監察官がともに管理する。

[憶測]

-アストラムはAstrum(ラテン語「天体、星」)?

-クローズはclose(普通に英語で「終わり」)?

 

・監察官

アストラム・クローズの拡張夢や都市環境を監察し、発生した問題に現地で対処する都市の管理者。管理局所属。

都市全体を見守る統合人工知能によって選ばれ、住民からの信頼も厚い。

 

・KaiROS

体内型生体ナノマシン

 

・拡張夢≪Augmented Dream≫

夢見る理想都市アストラム・クローズを特徴づける2つのシステムのうちの1つ(もう1つは不明)。生体ナノマシンKaiROSを保有する都市住民の睡眠中の夢を統合し、彼らのメンタルケアと監察を同時に行うメンタリングシステム。現実の都市に重ねる形で作られる空間で、住民たちが見る夢そのもの。アストラム・クローズでは生まれてすぐ拡張夢に参加することが義務付けられている。

人々は拡張夢の中では人の姿ではなく「夢の一部」、木、石、風、動物等に置き換わり、温かい夢の一部となる共同幻想の体験が住民の負の感情を緩和する。拡張夢の運用によりアストラム・クローズから犯罪は消え去った。

[憶測]

-拡張夢の中で人の姿で存在する場合の記述(後述)から、「夢の一部」になっているときは個としての自我は存在しないようです。本作とは関係ないけれど薬物のLSDを摂取すると個としての自我が解けて世界そのものと一体化するような感覚が得られることがあるらしく、つまりそのような感覚は実在するもののようです。LSDはメンタルケアへの応用の研究も進んでいるらしい(マイケル・ポーラン「幻覚剤は役に立つのか」を参照)。繰り返しますがLSDは本作とは無関係です。

 

・拡張夢の中で人の姿で存在する場合

拡張夢にも癒しきれない不安定なメンタルの人間は、夢を通じて他者に悪影響を及ぼさないようシステム側が接続を一時遮断し、拡張夢の中で「個」としての自我を保ったまま人間の姿で存在する。

監察官の業務内容として、拡張夢の中で人の姿で存在する人の不安を解消し、拡張夢へと戻すことが含まれる。不安の解消方法は、対象とは接触せずメンタリングツールを用いて対象の心理状況が可視化されたパネルとコネクタを調整し異常を取り除くか、それでは解消不可能な場合では対象者とコミュニケーションを行う。
[憶測]

-メンタリングツールの作業はゲーム中ではパズルのようなものになるんでしょうか?パズル解いて人の悩みが解消するならやりがいはありそうです。人の可視化された心理状況を手で操作することの人道性については、作中での理論というのがあるはずで、とりあえずノーコメント。住民が幸福で満足しているのであればひとまず良いのではないかという気がします。ちなみに可視化される心理状況は感情の内容そのものとは別で、不安の内容を監察官とのコミュニケーションで打ち明けるかは、あくまで対象の権利となっています。

 

・グリス・ベル

24歳男性。監察官訓練生。生まれつき生体ナノマシンKaiROSへの適性を持たず拡張夢に参加することができなかったため、拡張夢に憧れを抱いており、監察対象として拡張夢に触れることのできる監察官を目指す。

Original story【監察官グリス・ベル】では監察官の試験を受けており、拡張夢の中で不安を抱えている人のメンタリングを行い、人の姿から拡張夢へと帰す実務試験をパスした。

試験の結果には

≪資格要件:contraindication for KaiROS/満たす≫ 

≪配属先:管理局第7区 拡張夢システム支援課≫

とある。

[憶測]

-contraindication for KaiROSは「KaiROSの禁忌」でKaiROSの適性がないことを示すと思われます。この資格要件が監察官一般のものなのか、それともその中で拡張夢での業務に従事する者のみの特別な要件なのかは不明。監察官には拡張夢以外の都市環境での業務もあるようなので、管轄は分かれているのかもしれません。

-KaiROS適性のないグリス・ベルが監察官(の訓練生)として拡張夢にアクセスする際はKaiROSではなく何を用いるのでしょうか。彼は睡眠時の夢としてではなく実際の都市に投影された拡張夢を歩きながら業務を行っているようなので、監察官専用の何らかのARデバイスを使用するのでしょうか?ログアウトする際は端末から実行することで拡張夢のレイヤーが消えて都市の景観が現れているので、操作は端末で行っているようです。

-拡張夢という空間は、住民たちが眠りながら接続するフルダイブ的なVR体験と、監察官が業務で接続する実際の都市上に投影されたAR体験が重なるものとして存在するようです。グリス・ベルは監察官となったことで拡張夢のAR体験は可能になったものの、フルダイブVR体験の方は依然不可能なのでしょうか。

 

・白い髪の少女

グリス・ベルが試験で担当することになった人物が、拡張夢の中で出会ったもの。夢の一部になっていたその人物の目の前に現れ、ただじっとその人物を見つめていた。見つめられているうちに時間の感覚がわからなくなり、気づいたらその人物は拡張夢から弾かれていた。とても怖い夢として語られている。その人物は白い髪の少女について拡張夢に入れないはずの変異体が入ってきたのではないかと主張したが、グリス・ベルになだめられた。通常であれば拡張夢の出来事は記憶に残るものの、この件についてはどこに居たか等どんな質問に対してもその人物は覚えていないという回答であった。
拡張夢でアッセンブルされる人間体に白髪のパーツは無かったはずとのこと。

[憶測]

-何にもわからないですが、自我のない夢の一部の状態から、じっと見つめられることで(拡張夢から弾かれて)「個」としての自我を持った人間の姿になる、というのは、眼差しを自己形成に重要なものとして位置付ける哲学者ジャック・ラカンの議論を思い出すような気がします。ラカンの議論は精神分析にまつわるものなので、メンタルケアがおそらく本作のテーマの一つであることを考えると引き合いに出すのはそれほど的外れでもないのでは、と思います。この白髪の少女の件で直接ラカンが意識されているのかはわかりませんが「こちらに眼差しを向ける存在へと眼差しを向けることで、自己の認識が獲得される」みたいな構造は念頭に置いている可能性があるのではないか、と思います。偉そうにいきなり引用しましたがラカンについてはなんかそんな感じの話があるっぽいというくらいしか知らないし、完全に思い付きで言ってるだけで、もう全く全然関係無いかもしれないです。何にもわからない。

-ところでこの白髪の少女が「目の前に」現れたと公式サイトのOriginal storyにも書いてあるんですが、この人物が夢の一部になっていた時って「目」があるものだったんでしょうか。動物になってて本当に目があったのかもしれないですけど、そうでない場合は、「夢の一部になる」というのはあくまで自己認識が夢の世界で拡張されている状態のことであって、そのような状態を認識して捉えている「感覚としての目」は依然としてどこかにあるという、そういう意味なのではないか、という気がしています。全然違うかもしれません。

-変異体が何を指すかは不明。拡張夢にアクセスできない存在のようですが、仮に拡張夢に入れない人間一般のことを変異体と呼ぶとするとグリス・ベルたち拡張夢の中で活動する監察官も資格要件から全員元はそうということになって、ここでの応答がなんとなくしっくりこない気がする。おそらく何か別の限られた要因で拡張夢にアクセスできなくなっているもしくはアクセスが禁止されている存在だと思われます。

・ハル・サイオン

19歳男性。管理局の特別監察官。

都市アストラム・クローズで保護されている量子干渉変異体のひとりで、その能力は《メモリーダイブ》と呼称されている。

3年前のある事故により記憶を失い、現在も事故以前の記憶は回復していない。

公開されている第1弾キービジュアルに載っている人。両腕に腕時計のようなものをしている。

[憶測]

-ティザーPVに出ていた人物とイヤリングが同じなので、たぶん同一人物。

-量子干渉変異体とのことで、変異体なのでおそらく拡張夢にアクセスできない存在。
保護されている量子干渉変異体のひとり、とのことなので量子干渉変異体は他にも居るっぽい。量子干渉変異体の略称が変異体なのか、他種の変異体もいるのかは不明。

-特別監察官とのことだけれど、拡張夢内で業務を行うのかは不明。グリス・ベルのようにARデバイス(仮)で拡張夢に行くのだとすれば、変異体であってもARデバイス(仮)があれば拡張夢にアクセスできるということかもしれない。

-メモリーダイブは量子干渉変異体としての能力なんだろうか。メモリー=過去にダイブすると考えると公式サイトの「時を戻せ。すべての謎は過去にある。」はこの能力のことを言っているのかもしれない。他の量子干渉変異体には他の能力があるのかどうなのか、なにもわからない。

 

 

以上、何もわからなかったですが、このような世界設定の作品がVRゲームとしてどのように展開していくのか、とても楽しみです。続報は10/28のオンライン発表会になりそうです。